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ゆとりアラサーオタクのブログ

人生の潔癖症

「人生の潔癖症


今年の9月で30歳になる。
成人してからはや10年、人生の3分の1は大人として生きているのに、わたしの人生の経験値は未成年のようなものである。
大人の遊びをしたことがないからだ。

大人の遊び、って一体なにという話だけど、大人だからできる遊びと考えてみる。
わたしは、お酒をたらふく飲んで酔っ払って羽目を外したことがない。
わたしは、今日はもうどうにでもなれと思ってその辺の男性と関係を持ったことはない。
興味本位ですらタバコを吸ったこともないし、ギャンブルもしたことない。
度が過ぎるとクズと言われるような、どこかワルを感じるような少し大人な遊びをやったことがないから、当然それによってやらかしちゃったなんてエピソードもない。

政治と宗教の話は人前でするなと教えられてきたけど、わたしのなかでこのやらかしエピソードも触れてはいけない禁句と認識している。

というのも、わたし自身が人のそういう話を聞くと、もう絵に描いたようなドン引き顔をしてしまうからである。
人は、自分の価値観から大きく離れた価値観に遭遇するとびっくりするしあんぐりしてしまうと思うんだけど、わたしの場合、この類いの大人のやらかしエピソードはそれに当たり、空気を険悪にしてしまう。

ここで問題なのが、こういう大人のやらかしエピソードは本来、誰でもひとつやふたつは持っていて、相手に安心感を抱かせる?笑い話のはずということである。

軽い気持ちで話してくれた相手に対して、わたしは軽蔑したかのような顔をしてしまう。
わたし自身人を軽蔑できるような立派な人間ではないにもかかわらずね。

だけど、わたしが今までの人生で1度もそういう経験をしたことがないから、どうしても自分の中の価値観が凝り固まってしまい、それを表情に出してしまう。

わたしと長年仲良くしてくれている友達は、みんなそこを理解してくれているから、そういう遊びに誘わないし話もしないでいてくれる。
だからこそ、友達の知らない部分っていうのを生み出してしまっているんだろうなと思うから、それでびびるのは自業自得なんだけど、でもそれによってどこまでも掴みきれないミステリアスな部分を感じてより好き!ってなってるから結果オーライでもある(あまりにも自分勝手な解釈だけど)。

ところで、このようにわたしが人生においてある種の潔癖症であることを語ってきたんだけど、この潔癖症は遊びの部分だけではない。

生活についてもそう。わたしの部屋はいつでも片付いていて、いくら忙しかろうが散らかったことがない。家事もひととおり自分で出来る。
そして誰かに依存したこともない。自分の人生の選択肢を誰かに委ねたこともない。

こういう風に書くと、いかにも自分が自立していて真面目な人間であるかのようにアピールしているようだけど、わたしは全くもって自立した真面目な人間なんかではない。

自立という部分では、生活費は自分で賄っているけど、いまでも親に甘えたままだし、仕事もある程度は頑張るけど向上心はなく、部屋も散らかしはしないけど、水回りは超汚い。
あくまで自分の中のルールが徹底していてそれから外れると許せない懐の小さい潔癖症なだけなんだよね。

自分で作ったお堅いルールに縛られながら生きてるだけだということを、この歳にして考えてしまうようになった。

先日実家に帰省してお母さんと話していたときに、自分がいかに恵まれた環境にいるかを感じた。
お母さんが「あんたのこと自由に育ててあげたと思うけどなあ」と言ったとき、「わたしもそう思う」と即答できるほどに自由にさせてもらったと思う。
それと同時に、自分が狭い世界で生きてるのは自分が自分を縛ってるだけなんだなあと感じた。
それをお母さんに伝えたら、「自分で縛られてるだけならいいじゃん、周りから縛られるんじゃないなら」と言われた。
たしかに!自分の意識さえ変えればいくらでも人生変えられるの、幸せなことだなあと思った。(なんの話)

ちなみに、わたしは昔からの関係や風習を好み、変化や新しい環境を苦手と思う生活をしている。
だから、いろんな土地を点々としてその場で新しいコミュニティを作っていけたり、今の環境に執着しない人にものすごく憧れてる。

結局は自分が出来ないことが出来てしまう人に憧れと嫉妬があるから、自分の価値観をガチガチにして自分を守ってるのかもね。

わたしが30歳を超えて、この先の人生ベロベロに酔っ払って羽目外したり、鬼のフッ軽人間になったりすることなんてあるのかな。
あったとして、その1やらかしで人間性とか価値観変わったりするのかな。
なんか価値観は変わらずひたすら自己嫌悪に陥りそうな気もするけど笑

でももはやいまは、そんな時代もあったな、若かったな、って落ち着く歳な気もするから、いまさら変わらなくていいかとも思う。

そんなどうでもいいことを考えるくらい長い皮膚科の待ち時間でした。