3×3×3

ゆとりアラサーオタクのブログ

ジャングルライフ

「ジャングルライフ」

 

わたしはとても懐古主義と言うか保守派というか、なんでもアナログで昔ながらのものを好む傾向がある。

いまだにクレジットカードはTポイントカードしか持っていないし、ビットコインなんてやらないし、サブスク?も使っていない。基本的にCDが出ないと新曲は買わない。配信音源は聴かない。収集癖もあるけれどよく分からないしめんどくさいからというくだらない理由なんだけど、音楽を聴くのって、CDを買うこともひとつのイベントとして楽しみのひとつだと思っているのでしばらくのバンプの新曲はアルバムが出るまで全然聴いていなかった。

 

そんなどうでもいい前置きは置いておいて、私の学生時代の新しい音楽との出会いってほんとにアナログだったなあと部屋の模様替えをしていてふと思った。

 

中学3年生から音楽を好きになって、いろんなアーティストの曲を聴きたいと思ったときに、テレ朝が映らないためMステが見れないど田舎にいて、スペシャMTVなんて有料チャンネルが映る家でもなかったので、情報の収集源は近所のTSUTAYAだった。

そのころからYouTubeは絶対にあったはずなんだけど、まだ携帯も持っていなくて、自宅の共用PC一台だけだったのでネットを使うという発想はなく、TSUTAYAの邦ロックコーナーをひたすらあいうえお順に視聴していくという非常にアナログな音楽体験をしていたんだよね。

高校生になって、YouTubeとネットを覚えたので、関連動画からPVを漁るのは当然のようにやるようになったんだけど、わたしはもうひとつ新たな情報源を獲得した。

 

2009年の4月、高校2年生にして初めてライブハウスに行ったのだ。そのライブハウスは確か4階がステージで、3階にオーナーさんが経営してるCDショップが入っていた。そこでおすすめの曲のサンプルCDなんかを配布したりしていて、サイサリを知るきっかけになったりした。

そのほかに、ライブハウスに行ったことで出来るようになった方法があった。音楽フリーペーパー「ジャングルライフ」。今考えてみると、フリーペーパーだというのにあのクオリティめっちゃすごいなと思うんだけど、メジャーな音楽情報誌には載っていないインディーズのバンドの新譜レビューやインタビュー記事がとてもたくさん載っていた。全国のどこで配布しているのか、今でも配布しているのかとか全然知らないんだけど、当時はライブハウスに行くたびに最新号を必ず持ち帰っていたなあ。そこに載っているバンドの名前をYouTubeで検索してPVを見る、気に入ったバンドのCDTSUTAYAで借りる、という割と手間のかかることを、平気で何時間も時間を費やしてやっていた。多分ハヌマーンを知ったのはジャングルライフのおかげだった。

今私の手元に残っていたジャングルライフの発行年を見てみると、地元にいた時代のものしかなかったので、上京してからはきっと見ることをやめてしまったんだな。おそらく、文化の発信地である東京に来たことでそういったものに頼る必要もなくなったし、もしかしたら東京のライブハウスにはあまり置かれていないのかもしれない。

 

生まれも育ちも田舎であるということは、文化に触れるにはすごく不利な状況で、昔から都会にいる人たちが中学生のころから、とか高校のときは、って自慢げに話すのをうらやましいなと思いつつ、でも、遠回りをして出会えた音楽のよろこび分からないでしょ?と強がってみたくもなる。だって、東京出身の人はくるりの「東京」やバンプの「東京賛歌」の良さを心から理解できないんでしょ?とかも言ってみたりする。わたしは、新幹線で実家に帰るとき、車窓の景色が高層ビルから雪景色に変わっていき田園風景になるあの懐かしくて胸がきゅーってなる気持ちが分かるし、ライブに行きたくても行けなかった大好きなバンドがライブを見れないまま解散する辛さも知っている。だから東京に出てきて9年目になった今でもひとつひとつの音楽との出会いを大切にするし、ライブに行けるということの幸せを噛みしめているよ。

 

全く予定ないからただの妄想でしかないけど、もし奇跡的に結婚できて子供ができたら、絶対に地元で育てたいな。東京は本当に魅力的で私も大好きだけど、故郷というものを将来的な居住地と別に持っていてそこをよりどころにしてほしいし、やっぱり高校生までは田舎での生活を経験してほしい。そこで田舎での青春を味わって、大学から都会に出てもうひとつの別の青春を味わってほしい。どちらの魅力も実感できるもん。2つとも経験したうえで、最後はどちらを選ぶか考えればいいと思う。そんな私はまだ全く将来の設計が見えていないんだけどね。

 

まあ、楽しく生きていければそれでいい。わたしは多分このままだと40歳までは少なくとも東京にいる。